2019年 10月 23日 水曜日
あるフィリピン女性の話をします。
この記事を書いた人
最近仕事に没頭したら、周りの変化やエピソードに無関心になってしまいました。
このような日々を送っている中、
突然、あるフィリピンの女性から小さな依頼が来ました。
「この手紙を日本人に送りたいから、日本語に翻訳してもらいたい」。
手紙を見たら、きれいな英語が並んでいました。
このフィリピンの女性(Dさんにしましょう)は、
中東エリアでボランティア活動を行っている途中、
ある遺跡で一人の日本人を助けました。
日本人は年配の方で、
中東の眩しい日差しのせいか、
とても疲れた様子でふらふら歩いていたところ、
Dさんが優しく声をかけて、日陰まで支えてあげたようです。
日本人は英語がわからず、Dさんも日本語が喋れません。
言語が全然通じない二人は、
手や表情で意思交換して別れようとしていました。
助けてくれた謝礼として、日本人はDさんに$10をあげたようです。
「実は、その$10でシリア難民の子供たちに靴を買ってあげたよ。」
Dさんが中東エリアで行ったボランティア活動は、
シリア難民の生活再建などのお手伝いでした。
靴も持っておらず、裸足で学校まで通学していた難民の子供たちをみて、
Dさんは日本人からもらった$10を使って、
子供たちに四足の新しい靴を買ってあげたようです。
「子供たちの嬉しさをぜひお伝えしたいと思います。
あなたの$10で四人の子供が新しい靴を履くことができましたよ!」
Dさんが手紙の中でそう書きました。
フィリピンはまだ発展途上国で、
決して日本ほど裕福な国ではありません。
Dさんもごく普通な若い女の子で、
アルバイトをしたり、ボランティア活動に参加したりして、
決してお金持ちのお嬢様ではありません。
けれどもその$10の使い方に関して、
毎年も自分のスマホを新機種に変えたい私より、
ずっと大人らしいと思います。
自分の英語力を最大限に張ってDさんの手紙を翻訳しました。
その嬉しさ、その清い心がちゃんと相手に伝えられるように。